デンマーク王家の系譜
デンマーク王クリスチャン九世はヘッセン・カッセル公女ルイーズと結婚していました。
もともと彼はデンマーク王位とは無縁の家柄でしたが、彼の妻ヘッセン・カッセル公女ルイーズは
デンマーク王クリスチャン8世の姪にあたり、王位継承権を持っていました。
クリスチャン8世の子フレドリック7世には子供がなく、ショレスウィッヒ・ホルシュタイン・ゾンデンブルク・グリュックスブルク公
であったクリスチャンがクリスチャン9世としてデンマーク王位を継承することになりました。
クリスチャン9世とルイーズ王妃には三男三女の子供たちがいました。長男フレドリック8世、ギリシア王ゲオルギオス1世、
オルレアン家のマリーアマリーと結婚したヴァルデマール、英国王妃アレクサンドラ、
ロシア皇后マリー・ダグマール、カンバーランド公妃セラです。子女たちの結婚により5カ国の君主、英国王、ロシア皇帝、ノルウェー国王、
ギリシア国王、デンマーク国王はすべて彼の孫になります。イラストは左が英国王妃アレクサンドラ、右がマリー・ダグマール
です。アレクサンドラはヴィクトリア女王のお気に入りの嫁でした。彼女は美徳を持ち合わせた優れた女性で英国民からも深く愛されました。
ダグマールもロシア皇太子と結婚し、名をマリー・フョードロヴナと改名しました。最初アレクサンドルの兄ニコライと婚約してましたが、彼が結核で亡くなったため、
巨漢のアレクサンドル3世と結婚しました。そして夫とは幸せな結婚生活を
送りました。ロシア革命で息子一家が命を落としたにもかかわらず、彼女は故国デンマークに帰り、そこで亡くなりました。
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クリスチャン九世の三女セナ・アマリアは姉たちほど有名でもなく、美しくはありませんでしたが、
ハノーバーの皇太子であったエルンスト・アウグストと結婚しました。彼は、ハノーバーの最後の王ジョージ5世の息子で三代目カンバーランド公であり、
ブリュンスウィック・リューネブルク公でもありました。ハノーバーはその後、プロシアに併合されました。
ハノーバー王ジョージ5世というのは英国王ジョージ3世の息子で初代カンバーランド公でもあったハノーバー王エルンスト・アウグスト
の息子でした。ああ、祖父と孫は同名ですね。セナの息子もまた同名なんですが、カンバーランド公の称号は無くなっているのですよ。詳しいことはよくわかりませんが・・・
先祖の選帝候妃ソフィアとなにやら関係がありそうです。セナの息子エルンスト・アウグストはドイツ皇帝ウィルヘルム2世のひとり娘ヴィクトリア・ルイーズと
結婚しています。ちなみにモナコのキャロライン王女と再婚したのが、ヴィクトリア皇女の孫プリンス・オブ・ハノーバー、エルンスト・アウグストさんなのです。
セナの曾孫にもあたります。
ギリシア王ゲオルギオス1世はロシア大公コンスタンチンの娘オルガと結婚しました。ギリシア王家も目が放せません。彼等はエジンバラ公の祖父母であり、私が気になっている
ロシア大公ドミトリーとマリーの姉弟の祖父母でもあります。現スペイン王妃ソフィアの曾祖父母です。
なんと、セナとも繋がりましたよ。セナ夫妻もスペイン王妃ソフイアの曾祖父母でした。系図の繋がりを追っていくと
おもしろい発見があります。
フレデリック8世はスウェーデン王女ルイーズと結婚しましたが、彼等の息子の一人がノルウェー王ホーコン7世として即位しました。
現ノルウェー王室の祖です。このようにデンマーク王クリスチャン9世の血統はヨーロッパ中に広がっています。
ヴィクトリア女王を「Grandmother of Europe」と呼ぶのに対してこのクリスチャン9世は「Grandfather of Europe」
と呼ばれています。現デンマーク女王マルガレーテ2世ですが、クリスチャン9世から数えて5代目になりますが、私が一番好きな女王様です。
公式サイトでお召しになられているワイン色のドレスがよくお似合いで・・・この女王様は赤系のドレスがよく似合いますわ。
第二王子の方が先に結婚してしまいましたが、東洋人の妃殿下もまた綺麗な方で目の保養をさせて頂いてます。
新イラストギャラリーの「現代ヨーロッパ王室シリーズ」にマルガレーテ2世やソフィア王妃、エリザベスニ世、故グレース公妃、スウェーデンのシルヴィア王妃の
イメージイラストを描いてますのでおヒマな時にでも見てくださいませ。
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